Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
上地 優; 鈴木 孝一*; Yan, X.
JAEA-Technology 2016-010, 24 Pages, 2016/07
我が国では、地球温暖化対策の一環として、2030年までに26%、2050年までに80%の二酸化炭素(CO)排出量の削減を目標として掲げている。これを達成するためには、省エネやコージェネレーション、COフリーエネルギーの導入など、様々な対策を実施する必要がある。原子力機構では、水素製造や蒸気供給、海水淡水化など、発電のみならず多様な熱利用が可能な高温ガス炉に関する研究を進めており、これまでに実用高温ガス炉の基本設計であるGTHTR300Cを提案している。本稿では、我が国のCO排出量削減に係る高温ガス炉のポテンシャルを明らかにするため、国内での水素利用、熱供給ならびに海外での水素供給、淡水供給によるCO削減量を算出した。その結果、国内では、年間2.07億トンのCO削減、海外では、年間2.10億トンのカーボンオフセットが見込まれる。これは、2050年のCO削減目標である9.13億トンの45.7%に相当し、高温ガス炉がCO排出量削減への高いポテンシャルを有することを明らかにした。
林 光二; 稲垣 嘉之; 加藤 道雄; 藤崎 勝夫*; 会田 秀樹; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 片西 昌司; et al.
JAERI-Tech 2005-032, 46 Pages, 2005/06
本書は、HTTR水素製造実規模単一反応管試験装置の平成13年度試験運転報告である。平成13年度は平成14年3月1日から3月13日の2週間に第1回試験運転を実施し、水蒸気改質器の熱流動に関する試験、並びに試験装置の運転訓練を行った。水蒸気改質器の熱流動に関する試験は、ヘリウムガスとプロセスガス間の伝熱特性を評価するものである。本報告では、試験の概要,結果、並びに運転記録についてまとめている。
榊 明裕*; 加藤 道雄; 林 光二; 藤崎 勝夫*; 会田 秀樹; 大橋 弘史; 高田 昌二; 清水 明; 森崎 徳浩; 前田 幸政; et al.
JAERI-Tech 2005-023, 72 Pages, 2005/04
水素製造システムと高温ガス炉の接続技術の確立のため、水蒸気改質法によるHTTR水素製造システム実規模単一反応管試験装置を平成13年度に製作し、同年度に機能試験運転を実施した。引き続き、平成13年度から16年度まで7回の試験運転を実施した。運転期間中に発生した不具合については、その都度、原因の究明,対策案による試験装置の改善を行い、試験を続行してきた。これにより、各種試験を行い、所定の目的を達成した。本報告は、平成13年から平成16年までに実施した試験装置の改善項目について記述したものである。
佐藤 博之; 大橋 弘史; 稲葉 良知; 前田 幸政; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲垣 嘉之
JAERI-Tech 2005-014, 89 Pages, 2005/03
原子炉と水素製造設備の接続にかかわる技術課題の一つとして、水素製造設備の化学反応器の負荷変動に起因する2次ヘリウムガス温度変動が原子炉へ伝播することによる原子炉スクラムの回避が挙げられる。この対策として、原研は化学反応器の下流に蒸気発生器及び放熱器を用いた2次ヘリウムガス冷却システム(以下、「冷却システム」と呼ぶ)を配置し、本冷却システムにより2次ヘリウムガスの熱過渡を吸収緩和し中間熱交換器入口2次ヘリウムガス温度を一定に制御することを提案している。蒸気発生器と放熱器を用いた冷却システムについて解析コードの検証を行った。本冷却システムは放熱器の伝熱管外を流れる空気で冷却することにより蒸気発生器の圧力制御を行い、蒸気発生器出口2次ヘリウムガス温度を一定に保持する。この圧力制御特性は放熱器伝熱管外を流れる空気の伝熱特性に支配される。このため、実規模単一反応管試験装置による試験結果から空気の伝熱特性を明らかにし、これをもとに解析を行った結果、解析は冷却システムの圧力,温度,流量及び熱交換量等の試験結果をよく模擬でき、本解析コードの検証を行うことができた。
前田 幸政; 西原 哲夫; 大橋 弘史; 佐藤 博之; 稲垣 嘉之
JAERI-Data/Code 2005-001, 149 Pages, 2005/03
HTTR水素製造システムの特性評価等を行うために、解析コードN-HYPACの開発を行った。本解析コードでは、HTTR水素製造システムの静定状態(通常運転時)及び動的状態(起動,停止及び異常時等の過渡変化時)における熱物質収支(ヘリウムガス,プロセスガス,構造物等の温度分布,ヘリウムガス及びプロセスガスの質量,圧力分布等)及び制御系の特性を解析することが可能である。これまで、中間熱交換器以降の2次ヘリウム系と水素製造システムの解析ができるように整備を行った。本報告書は、動特性解析コードN-HYPACの解析フロー,構成機器のモデル,基本計算方程式,取扱い方法及び試解析についてまとめたものである。
橘 幸男
原子力年鑑2005年版, p.279 - 287, 2005/00
高温ガス炉開発をはじめとする高温工学試験研究について、平成15年4月から16年5頃までの活動状況を中心にまとめた。本稿は、高温ガス炉開発の意義,高温工学試験研究炉(HTTR)の状況,核熱利用研究の状況,海外における高温ガス炉開発の動向と国際協力等について記述している。
大橋 弘史; 稲葉 良知; 西原 哲夫; 稲垣 嘉之; 武田 哲明; 林 光二; 片西 昌司; 高田 昌二; 小川 益郎; 塩沢 周策
Journal of Nuclear Science and Technology, 41(3), p.385 - 392, 2004/03
被引用回数:17 パーセンタイル:72.33(Nuclear Science & Technology)原研では、高温核熱利用の有用性の実証を目的として、HTTRと水素製造システム(メタンの水蒸気改質:CH+HO=CO+3H)との接続技術の開発を進めている。HTTR水素製造システムの製作の前に、システムの特性把握,原子炉に対応した運転・制御技術の確立,HTTR水素製造システムの安全審査・設工認に必要なデータの取得を目的として実規模単一反応管試験を計画し、HTTR水素製造システムの1/30スケールの規模を有する試験装置を完成させた。さらに、今後の試験を行ううえで必要な水素製造能力,制御性等を確認するために、試験装置完成時にHTTR水素製造システムと同条件下で水素製造試験等の機能試験を実施した。この結果、本装置の水素製造能力は設計値110Nm/hを満足する120Nm/hであった。また、起動時におけるヘリウムガスの熱外乱を蒸気発生器で緩和することにより、原子炉戻りヘリウムガス温度に相当する蒸気発生器出口へリウムガス温度を設計値である10C以内に制御できた。本報では、機能試験の結果について述べる。
橘 幸男
原子力年鑑2004年版, p.79 - 87, 2003/11
高温ガス炉開発をはじめとする高温工学試験研究について、平成14年4月から15年5月頃までの活動状況を中心にまとめた。本稿は、高温ガス炉開発の意義,高温工学試験研究炉(HTTR)の状況,出力上昇試験,所内関連部門の活動及び海外における高温ガス炉開発の動向と国際協力について記述している。
稲垣 嘉之; 林 光二; 加藤 道雄; 藤崎 勝夫; 会田 秀樹; 武田 哲明; 西原 哲夫; 稲葉 良知; 大橋 弘史; 片西 昌司; et al.
JAERI-Tech 2003-034, 129 Pages, 2003/05
HTTR水素製造システムの中間熱交換器から下流の水素製造設備を模擬した実規模単一反応管試験装置の機能試験の結果について報告する。本試験装置は、HTTR水素製造システムの水蒸気改質器反応管1本を実寸大で模擬した装置で、熱源には原子炉の代わりに電気ヒータを用いて、HTTR水素製造システムと同じ温度・圧力の条件で試験を行うことができる。試験装置は、平成9年より設計,製作を開始し、平成13年9月に据付を完了した。平成13年10月から平成14年2月まで実施した機能試験において、各設備の性能確認を行うとともに、高温ヘリウムガスを熱源として120mN/hの水素製造を達成して、試験装置を完成させた。また、本報告では、機能試験時に発生した不具合事項とその対策についても合わせて述べる。
稲葉 良知; 文沢 元雄*; 殿河内 誠*; 竹中 豊*
Applied Energy, 67(4), p.395 - 406, 2000/12
被引用回数:10 パーセンタイル:50.12(Energy & Fuels)本研究では、原子力エネルギーを電気としてだけでなく、熱エネルギー源として直接産業利用するシステムとして、高温ガス炉核熱を用いたアンモニア製造プラントにおける石炭ガス化について検討した。核熱を利用した石炭ガス化プラントでは、講演ガス炉からの2次ヘリウムガスを用いた水蒸気改質法により石炭をガス化することにした。また、石炭ガス化プロセスでの2次ヘリウムガスの熱利用率を上げるために、ガス化炉として2段式の流動床炉を採用した。CO問題に関しては、化石燃料を用いる必要がないことから、その発生量を既存のアンモニア製造プラントと比較して年間約50万トン削減できることを示した。
Huang, Z.*; 大橋 弘史; 稲垣 嘉之
JAERI-Tech 2000-022, p.30 - 0, 2000/03
日本原子力研究所では、高温ガス炉、高温工学試験研究炉(HTTR)から供給される核熱(10MW,1178K)を利用し、天然ガス(主成分: メタン)の水蒸気改質反応により水素を製造する、HTTR水素製造システムを計画している。このため、HTTRとの接続の前に、安全性、制御性及び水蒸気改質システムの性能を明らかにすることを目的として、通電式加熱器を用いて中間熱交換器以降を模擬する、水素製造量に関して1/30スケール(100Nm/h)の炉外技術開発試験を計画し、試験装置の建設を行っている。一酸化炭素と水素から成る合成ガスを製造する天然ガスの二酸化炭素改質反応(CO改質)は、近年、温室ガスの低減技術として期待されており、炉外技術開発試験装置における試験の実施が検討されている。しかし、水蒸気改質のために設計された炉外技術開発試験装置を用いて、CO改質を行うにあたり、熱・物質収支計算による改質器性能の事前解析が必要である。そこで、本研究では、CO改質及び二酸化炭素と水蒸気を同時に供給し、CO改質と水蒸気改質を同時に行う場合(CO+HO改質)について、数値解析による改質器性能解析を行い、圧力、温度、原料ガス組成等の転化率及び生成ガス組成に対する影響を明らかにした。数値解析の結果、設定した定格運転時(改質器入口He温度1153K)のCO改質及びCO+HO改質のメタン転化率は、各々1085,1100Kにおける平衡転化率と等しい0.36,0.35であった。これらの結果より、炉外技術開発試験装置がCO改質及びCO+HO改質にも使用可能であることを明らかにした。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 稲垣 嘉之; 西原 哲夫; 清水 三郎
Proceedings of International Hydrogen Energy Forum 2000, 2, p.271 - 278, 2000/00
高温ガス炉を用いた水素製造システムは、従来の化石燃料システムに比較してCOの排出量を大幅に削減できることから、環境問題へ貢献できる。このことから、原研は我が国初の高温ガス炉HTTR(熱出力30MW)に天然ガスの水蒸気改質システムを接続して、運転・制御技術を開発する計画を進めている。また、HTTR水素製造システムの安全審査のために、1/30スケールの炉外技術開発試験装置の製作を行っている。さらに、COを全く排出しない水の分解(熱化学法)による技術開発を進めている。これら原研で進めている高温ガス炉の水素製造システムの開発計画について報告する。
稲葉 良知; 稲垣 嘉之; 林 光二; 須山 和昌*
JAERI-Data/Code 99-009, 93 Pages, 1999/03
HTTR水素製造システムのモックアップモデルである炉外技術開発試験装置の試験条件設定、特性評価等を行うために、熱物質収支解析コードを作成した。本解析コードでは、試験装置の静的(通常運転時)及び動的(起動、停止及び異常時等の過渡変化時)状態における熱物質収支(反応ガス、ヘリウムガス、構造物等の温度分布、反応ガス及びヘリウムガスの質量、圧力分布等)及び制御系の特性を解析することが可能である。本報告書は、熱物質収支解析コードに関して、コードのモデル化範囲、構成機器のモデル、入力データや実行手順等、その取り扱い方法についてまとめたものである。
稲垣 嘉之; 武田 哲明; 西原 哲夫; 羽田 一彦; 林 光二
日本原子力学会誌, 41(3), p.250 - 257, 1999/00
被引用回数:10 パーセンタイル:60.66(Nuclear Science & Technology)HTTRの熱利用系として天然ガスの水蒸気改質による水素製造システムを計画している。本報告書は、原子炉と水素製造システムを接続するに当たり必要な炉外実証試験計画について述べる。炉外実証試験は、(1)水素製造システムの運転制御技術の開発、水蒸気改質器等高温機器の実証を目的とした炉外技術開発試験、(2)ヘリウムガスとプロセスガスの圧力境界であるハステロイXR製触媒管の材料強度に及ぼす腐食及び水素脆化の影響を調べる触媒管健全性試験、(3)原子炉から製造された水素へのトカマク透過量の評価手法を確立する水素透過試験から構成される。炉外技術開発試験装置は、HTTR水素製造システムの中間熱交換器から下流の主要機器を1/30スケールで模擬した試験装置で、2000年に完成予定である。触媒管健全性試験及び水素透過試験は、現在実施中であり、2000年まで行う計画である。
稲垣 嘉之; 西原 哲夫; 武田 哲明; 羽田 一彦; 林 光二
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 10 Pages, 1999/00
日本原子力研究所は、高温核熱利用の実証を目的として熱出力30MWの高温ガス炉HTTRの建設を進めており、その熱利用系として天然ガスの水蒸気改質による水素製造システムが計画されている。本論文は、原子炉と水素製造システムを接続するに当たり必要な炉外実証計画について報告するもので、次の3つの試験から構成される。炉外技術開発試験では、HTTR中間熱交換器から下流の水素製造システムを1/30スケールで模擬した試験装置を用いて、水素製造システムの運転制御技術、水蒸気改質器等高温機器の開発・実証を行うもので、試験装置は2000年に完成予定である。触媒管健全性試験では、腐食及び水素脆化のハステロイXRの材料強度に及ぼす影響を調べ、水素透過試験では原子炉から製造された水素へのトリチウム透過量の評価手法を確立する。触媒管健全性試験及び水素透過試験については、2000年まで実施する計画である。
稲垣 嘉之; 羽賀 勝洋; 会田 秀樹; 関田 健司; 小磯 浩司*; 日野 竜太郎
日本原子力学会誌, 40(1), p.59 - 64, 1998/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)本研究の目的は、高温ガス炉水蒸気改質システムにおいて、未反応CHをリサイクルすることによりCH転化率を向上させる手法の開発である。水蒸気改質反応後の生成ガス中からポリミド系ガス分離膜を用いて未反応メタンを分離抽出し、水蒸気改質器へリサイクルする。ポリミド系ガス分離膜についてH,CO,CO,CHガスの分離特性を実験及び数値解析により明らかにし、このガス分離器を用いて未反応CHのリサイクル実験を行った。その結果、CH転化率(CH供給量に対するCHのCOへの転化量)を約20~32%向上させることができた。
稲垣 嘉之; 羽田 一彦; 西原 哲夫; 武田 哲明; 日野 竜太郎; 羽賀 勝洋
JAERI-Tech 97-050, 125 Pages, 1997/10
HTTRによる高温核熱利用の有効性の実証を目的として、天然ガスの水蒸気改質による水素製造システムの建設を計画している。本報告書は、炉外技術開発試験装置の運転制御系の構成と解析による試験装置の過渡特性について述べたものである。HTTR接続の水素製造システムでは、システムの起動・停止等の過渡時において、HTTRに外乱を与えない制御系及び運転シーケンスを構築することが重要であった。このことを考慮して、炉外技術開発試験装置では、運転モードを定格時運転モードと異常時運転モードに分類し、各々について運転シーケンスを設定した。定格時運転シーケンスは、HTTRと水素製造システムの起動から定格運転状態、停止に至るまでのものである。異常時運転シーケンスは、システム異常のために原料ガスの供給が停止する事故条件を模擬したもので、ヘリウムガスは蒸気発生器で受動的に冷却される場合である。この手順を動特性解析上で再現し、システムの過渡特性を調べた。その結果、設定した運転制御系は適切であることを確認した。
稲葉 良知; 文沢 元雄; 菱田 誠*; 井出 朗*; 竹中 豊*; 殿河内 誠*
JAERI-Tech 96-057, 132 Pages, 1997/01
本研究では、原子力エネルギーを電気としてだけでなく、熱エネルギー源として直接産業利用するシステムに関して検討を行った。原子炉型としては高温熱利用に適している高温ガス炉とし、まず各国の高温ガス炉による核熱利用プラントの設計例及び日本の代表的コンビナート等を調査した。これを基に、核熱を利用した産業システムとして化学プラントにおけるコジェネレーションとアンモニア合成プラントにおける石炭ガス化を選定し、そのシステム設計を行って、核熱利用プラントのシステム概念を明確にした。石炭ガス化システムに関しては、石炭ガス化炉を2段式にすることにより、2次ヘリウムガスの熱利用率を上げることができた。また、このような核熱の産業利用を実現する上で、解決を要する課題を整理・検討した。経済性については、従来システムに二酸化炭素対策を施した場合、核熱利用システムが従来システムと競合可能であることを示した。さらに、原子力コンビナートの将来像を示すと共に、選定システムをエネルギーモデルによって評価するためのデータを整備した。
稲垣 嘉之; 日野 竜太郎; 羽田 一彦*; 羽賀 勝洋; 西原 哲夫; 武田 哲明; 塩沢 周策
Proc. of 5th Int. Conf. on Nucl. Eng. (ICONE-5)(CD-ROM), 5 Pages, 1997/00
本論文は、HTTRへの接続を計画している水素製造システムの炉外実証試験の計画について報告するものである。炉外実証試験は、HTTRの中間熱交換器から下流の水素製造システムの約1/30スケールモデルであり、ヘリウムガスから供給される高温の熱を用いて天然ガスの水蒸気改質により水素を製造する。炉外実証試験ではHTTR水素製造システムの設計に基づき、水蒸気改質器、高温隔離弁等の高温機器の開発、性能試験を行うとともに、水素製造システムの過渡応答特性、蒸気発生器を用いた受動的冷却システムの特性等について明らかにする。また、触媒管における水素透過、改質ガス雰囲気中における触媒管材料(ハステロイXR)の腐食・健全性評価、異常時における蒸気発生器の熱流動挙動を明らかにするための要素試験を併せて実施する計画である。
羽田 一彦
JAERI-Research 96-054, 28 Pages, 1996/10
高温核熱利用方式は、熱源の温度が約950Cと低いこと、熱輸送媒体が約4MPaに加圧されたヘリウムガスであることに起因し、化学反応条件が不利なため、非核熱方式、とりわけ化石燃料燃焼方式に比べ、エネルギ生産プロセスとして性能が劣っていた。そこで、水蒸気改質プロセスについて、非核熱方式に競合しうる性能を達成するための工夫を考案した。この結果、10MWの熱源により約3800Nm/hの水素収率を達成でき、化石燃料燃焼方式に競合できる見通しを得るとともに、反応管長さを約9mとコンパクトにすることができ、継ぎ目無し管としての製作が可能になった。
羽田 一彦; 柴田 大受; 西原 哲夫; 塩沢 周策
日本原子力学会誌, 38(10), p.834 - 844, 1996/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉からの核熱を用いて水素を製造する原子炉システムでは、原子炉本体と水素製造システムとの熱的動特性が大きく異なるため、安定な制御性を有する制御概念を構築する必要があり、この制御概念は、種々の水素製造法にも応用できる汎用性を有することが重要である。そこで、高温の熱を必要とする水素製造法について制御設計上の特性を比較し、高温熱を使う吸熱反応が共通性を有するとともに、この反応の原料等として水蒸気が必要であることを明らかにした。さらに、水蒸気改質水素製造システムの過渡特性を検討し、原子炉を冷却するヘリウム回路に設ける蒸気発生器により原子炉システムとしての安定性が確保できることがわかった。これらの結果に基づき、安定な制御性を確保し、かつ、汎用性を有する制御概念として、ヘリウム回路において高温吸熱反応器の下流に蒸気発生器を設置することを提案し、これを代表的な水素製造法に適用した。